どうも!長十郎です。
我が家にはASD・ADHDの特性持ちで境界知能の小5息子がおりまして、中学受験を見据えて対策しながら日々を過ごしております。ギリギリ政令指定都市の地方在住です。
きっとこの記事をご覧になっているということは、我が家と同じような環境で子育てをなさっている方なのだろうと思います。
ここでは、地方での中学受験を決めた理由や、実際に感じていることを正直にお話ししてみようと思います。
参考になりましたら幸いです。
地方で中学受験を考えたきっかけ

将来への不安と進学の選択肢
現在小学5年生の息子は、1年時から公立小学校の自閉・情緒特別支援級に在籍しています。
小学校の支援そのものに不満はなく息子も毎日元気に通っているんですが、ふと高校受験が不安になって支援相談員さんに雑談混じりに相談したところ、「中学受験はどうですか?」と言っていただいたのがきっかけでした。
息子は常に支援ががっつり必要というわけでもなく、交流クラスでも先生のサポートなしで授業を受けることが増えてきている状況です。
ただ今通っている小学校は支援級と通常級がはっきり区別されていて、転籍もかなり慎重な学校。
小学生のうちは転籍できると思えず、中学校からなら通常級にいけるかもと特別支援コーディネーターの先生から話はあったものの、公立中の支援級に進む可能性もまだ十分考えられます。
そこで支援相談員さんから「公立中の支援学級在籍の子は、8割くらいが通信制高校へ進学している」という話を聞きまして。

通信制もいい選択肢だと思うけど…
公立小支援級→公立中支援級→通信制高校
12年間ずっと少人数の環境。
「これで社会に出てうまくやっていけるのか?」と不安になったんですよね。
息子は特性持ち・境界知能ではありますが療育手帳は対象外で、表向きは健常者として扱われます。
社会に出るときは、通常級で過ごすことが当たり前だった人たちと同じ条件で見られるわけです。
義務教育のカリキュラムは同じといえど、全然違う環境で教育を受けてきた人たちと一緒にやっていけるのだろうか?
もちろん少人数でないと全く適応できなかったり、かなり苦痛が伴ったりする場合にはとてもいい選択肢だと思うんですが、うちの息子を見ていると、もうちょっと気合い入れてがんばってみてもいいのでは…?と。
がんばってみたけどうまくいかなかった、で少人数の環境を選ぶのは仕方がないことだと思います。
ただ息子は、私や夫が前もって環境を選んできたからこそ大きな挫折なく小学校生活を送っています。いいことだとは思いつつも、このまま支援を受けられるからといってぷかぷか浮きながら流されていっていいのか?と思ったんですよね。
一度自分の力で自分の道を掴み取る経験をしてみてもいいのではないかと。
夫に話をしたら、元々教育費は惜しまないという考えの人なので二つ返事で賛成。
息子にも話したところ案外あっさり「受験する!」と言ったので、あっという間に我が家の中学受験への道がスタートしました。
今の環境を変えたいという思い
賛否両論あると思いますが、私立を敢えて選択する理由としては「環境をお金で買う」これに尽きると思います。
私も夫も中学までは公立で育った人間なので、公立中でも問題なくやっていけるならそれでいいと思っているんですが、いろんな家庭環境の子がひしめく公立中の通常級、大丈夫だろうか…という心配も大きいんですよね。
息子は集団の中で少なからず浮くと思いますし、おとなしい方なのでいじめられやすそうだなと親としても感じています。

支援級でもちょっとその片鱗あるしな。。
いじめとまではいかないまでも、うちの息子のリアクションがいいからと他害のあるクラスメイトのターゲットになって度々つらい思いをしているので、環境選びは本当に大事にしたいなと思う日々。
かたや私立中は、ある程度ふるいにかけられた子たちが集まった学校です。
親も、当然ですが中学から私立に入れようと考えた方ばかりなので、教育に対する価値観が我々と似ているはず!(きっと)
もしかしたら我が家と同じ経緯で受験を決めたご家庭もあるかもしれません。
似た家庭環境で育った子同士はトラブルが起きにくいという話も支援相談員さんから聞きました。
こればかりは学校にもよると思いますし実際に検証したわけではありませんが、納得感があり惹かれている点です。
いじめ対策も、私立にちょっと期待しているところもあります。
たびたび中高生のいじめ問題が話題に上がりますが、公立中のいじめ対策は「加害者を守り、被害者を隔離する」という印象が拭えません。
大して私立は義務教育ではないので、いじめ加害者は退学させることができます。

ここ、大きな魅力なんだよなあ
退学の基準が厳しすぎるという問題はあるようですが、生徒たちもせっかく試験をクリアして入った学校を退学したくはないはずで、一定の抑止力にはなっていそうですよね。
公立中よりもはっきりしていて好感を持っているところです。
いじめ問題なんて起きたら今はSNSで簡単に拡散されてしまいますし、来年度の志望者数に大ダメージ食らいますしね。
しかしこれも学校によるみたいので、学校選びは慎重にしなければなりませんが。。
中学受験、案外向いてるかもなと思ったのは以下の理由からです。
- 息子が現在とても素直、言われたことは基本やってくれる
- 勉強ギライではない
- コツコツ努力できるタイプ
- 今のクラスメイトから離れたい
- 複数回受験や見学会など学力以外での加点も狙える
境界知能ではあるけども、勉強はそこまで苦手ではない息子。
何か一つ秀でたものが見つかっていない現状、勉強を捨てるわけにはいかない。
受験勉強で日々の学校の学習にも自信をつけてくれたらこの先の人生も少し前向きに過ごせるかもしれないなと。
また、このまま公立中の支援級に進むとなると、今のクラスメイトとまた同じクラスになる可能性が高い。
今息子の中ではこれが一番の受験に向かうモチベーションになっているようです。
一緒にいて楽しい瞬間もあるとは思うんですが、いかんせんみんな特性持ちですからね…。なかなかうまくいかず、息子が損をする役回りになることがしばしばあり。
ここから抜け出したいという気持ちを持って中学受験に向かう人は少なからずいると思います。
そして、子どものがんばりはもちろん必要ですが、親がやってあげられることも中学受験には結構あるんですよね。
見学会に行って名前を残してアピールできたり、複数回受験することで加点を狙える学校もあったり。勉強の伴走もしやすい。
高校受験となるとほとんど子ども主導で決めていくでしょうから、子どもがまだ素直で親の言うことを聞き入れてくれる今だからこそ、親がしっかりサポートして受験に向かえるメリットを享受できるなと思ったのも大きなきっかけのひとつです。
地方の中学受験、今感じているメリット

地方に限らないことも含めてですが、私立中を受験するにあたって良かったなと感じていることを挙げてみました。
- 首都圏など都市部と比べて入試内容が易しい
- 基礎をしっかり勉強するモチベーションが上がった
- 地方は学校の雰囲気が穏やか
首都圏など都市部と比べて入試内容が易しい
巷で加熱している中学受験。
ただ話題の中心は東京や大阪などの大都市であることがほとんどで、地方都市ともなると結構事情が変わります。
今我が家が暮らしている地域は中・高ともに公立へ進む子が圧倒的に多く、学力もいろんな偏差地帯に公立校が揃っているので「なんでわざわざ私立に?」という考えの人が多いんです。
なので難関校と言われるような偏差値帯の私立中は少なく、中堅校か標準校と言われるような学校がほとんどです。
さらに受験科目が2科目(国・算)の学校が多いので中受のハードルはかなり低め。
入試問題も、中学受験特有の思考力を問われる問題は出るものの割合が少なく、小学校で習う内容をしっかり理解していれば解ける問題が半分以上を占めます。
いっそ基礎固めのみに照準を絞って他を捨てても合格できたりするそうです。
人によっては塾に通わず自主学習のみで十分だったり、通信講座でも対応できるのではないかなと思います。

我が家は不安なので個別指導塾に通ってます
基礎をしっかり勉強するモチベーションが上がった
入試のレベルが上記の通りなので、下手にハイレベルな問題に目移りすることなく「基礎や標準レベルを固めていけばOK」と勉強量が限定されました。
受験対策がそのまま学校のテストにも直結するので息子本人にも努力した結果が分かりやすいです。
一時期難しい問題ばかり背伸びしてやっていた時期があったのですが、解けない問題ばかりやっていてもつらいですもんね。
受験という目標があることで勉強をする理由が必然的に生まれ、学校や学校の宿題以外に勉強することへのモチベーションを下げずに続けられています。

勉強してなかったらどうせゲームと動画に溶けてただろうし親としても嬉しい!
地方は学校の雰囲気が穏やか
都市部に引っ越す可能性もあったので都市部の学校と地方の学校、どちらも見学に行く機会があったんですが、同じ偏差値帯でも生徒さんの雰囲気が結構違うんですよね。
もちろん同じ地域でも学校によって違うんでしょうが、地方の方が牧歌的で、生徒さんものんびりした感じの子が多かった印象です。
うちの息子はのんびりマイペースなので、間違いなく地方の方が合ってそうだなと夫婦ともども意見が一致しました。
地方の中学受験、今感じているデメリット

メリットの次は、デメリットです。いくつか挙げてみました。
- 勉強の時間はそれなりに必要
- 地域によっては公立が有利なことも
- 情報収集が大変
勉強の時間はそれなりに必要
入試が易しめとは言いつつも、対策なしでは不安すぎます。
日頃から勉強が得意で首都圏の学校にも挑めるレベルの子なら余裕だろうと思いますが、中の下くらいの学力の子からすれば無策で挑むのは無謀すぎます。
ある程度の遊びは我慢して、机に向かう習慣をつけることは必須です。
我が家は5年生現在、学校と学校の宿題以外の学習時間は1日1時間~2時間程度とっています。

それだけ!?という人もいますよね
学習習慣がついてない人からすればハードルがやや高く、日頃から勉強している人にとってはかなり楽に感じるレベルかなと思います。
地域によっては公立が有利なことも
地方だと、私立中の絶対数が少なめ。家から通える距離の学校がかなり限られます。
我が家は通学圏内の学校が6校あるという状況です。

首都圏だと10数校以上あるのが普通なのかな
もっと少ない地域もあると思うので、その中から子どもに合う学校が見つかるかは、正直運次第…!
見当たらなければ潔く公立に進んだ方がいい場合もあると思います。
情報収集が大変
地方に住んでいて、首都圏めちゃくちゃうらやましいなと思う点は、学校選びの情報量が段違いに豊富なこと!
様々な学校の特色を網羅した本まで売られていて、なにそれほしいと何度思ったことか。
その分学校の数が多くて選ぶのが大変というのもあるんでしょうけども。
地方はそんな便利な本はない!
ネットで探そうと思っても誰も発言してない!
見学会に行くか、知人に聞くかしかありません。
親も育った地元なら、かなり有利だと思います。公立出身でも、肌感で私立校の印象を知ってたりしますよね。
そうでなければ、結構茨の道なんです…。

我が家は転勤先に住んでるので予備知識ゼロでした
学校の先生、支援相談員さん、放デイの職員さん、まつ毛サロンのお姉さん(私立中出身)、、、、
聞ける人にはいろいろ聞きました。
ただ、一番頼りになったのは家庭教師派遣会社の教育プランナーと、個別指導塾の塾長でした。
やっぱりその世界で長年生きている方は強いです。
地方は、学校の情報ももちろん大事なんですが、どのくらいのレベルの学力が必要なのかが分からないんですよね。
首都圏だとこの偏差値帯の学校ならこのテキストのこの問題はできた方がいい、とかいう情報が山のように出てくるんですが、地方だと全くわからない。
中学受験塾がそもそもないので偏差値が参考にならないですし、テキスト選びも難しすぎます。
ひたすら難航していたテキスト選びが塾に入った途端必要なくなって、めちゃくちゃありがたかったです。
地方では特に、何らかの教育サービスとつながっておくことは大事だなと感じています。
まとめ
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
地方の中学受験には良い面も大変な面もありますが、我が家もまだまだ道半ば。
ベターな進路を探している同志の皆さんに、我が家の選択が参考になりましたら幸いです。
それでは、また!