【解説】映画スラムダンクなぜ炎上?制作陣とファンのズレ

映画スラムダンク 炎上の経緯 制作陣とファンのズレ 声優交代 アイキャッチ

どうも!長十郎です。

2022年12月3日に公開が予定されている映画「THE FIRST SLAM DUNK」。
先日新情報解禁特番が配信され、その内容にSNSが大炎上する事態となってしまいました。

この記事では、この炎上騒動の本質や流れ、どうしてここまで炎上してしまったのかを解説します。

この記事を読んで分かること
  • 映画スラムダンクが炎上した詳しい経緯
  • 声優が交代することになった要因
  • 制作側とファンの間でズレてるポイント

しばしお付き合いいただければ幸いです。

目次

騒動の発端は新情報解禁特番

この炎上騒動のきっかけとなったのは、2022年11月4日に配信されたこちらの特番。

この特番の冒頭で湘北高校バスケ部のメインキャスト5名が発表されると、SNSやYoutubeのコメント欄では否定的なコメントが続出しました。

特番が終わったあとも、公式のツイートやネット記事が発表されるたびに再び炎上してしまう事態となっています。

炎上の流れを解説

どうしてここまで大きな騒動になってしまっているのでしょうか?

特番より過去にさかのぼって解説します。

STEP
新情報解禁特番まで映画の内容に直接触れる発表は一切なし

特報やインタビューでCGアニメだということは公開されていました。

ファンの声

キャスト誰がやるのかな?

ファンの声

ストーリーはどこをやるのかな?

STEP
旧作をYouTubeで毎日1話ずつ公開開始
ファンの声

やっぱりスラダンはいいな~!

ファンの声

キャストは旧作から続投してほしいな!

ファンの声

ストーリーは旧作の続きからやるのかな?アニメでも観たい!

STEP
ムビチケカード(前売り券)を事前に販売
ファンの声

原作の絵柄かっこいい!

ファンの声

公開まであと3ヶ月かあ、楽しみだな~!

STEP
新情報解禁特番で湘北キャスト・PVが公開
ファンの声

え…キャスト一新?続投してほしかった…

ファンの声

じゃあなんで旧作公開して期待させたの?

ファンの声

前売り券買う前に言ってほしかった…

ファンの声

キャスト変わること言ったらムビチケ売れないから今公開したんだろ!

STEP
公式Twitterお気持ち表明
ファンの声

声優交代自体を批判してると思われてない?

ファンの声

詳細発表する前に前売り券売るなって話なんだけど!

STEP
ファンが声優交代を批判しているという主旨のネット記事

\ 記事はこちら /

映画『スラムダンク』が特番での声優交代批判に声明 要因は伝説的作品に対する期待と“ファン層の違い”

ファンの声

だから公式の宣伝のやり方に文句言ってるんだって…

ファンの声

公式の対応のまずさを声優のせいにするなよ

炎上した一番の理由は「宣伝のやり方に対する批判」

公式やメディアはファンが声優交代を受け入れられないから炎上していると思っている、もしくはそういう話題にすり替えようとしているようですが、実際は

旧作のキャスト続投を希望している人が多い現状を知っていながら

実際は2年も前から一新したキャストが決まっていて(もしくはもっと前)

それに批判が出ることを分かった上で敢えて伏せ

前売り券がある程度売れたタイミングで情報を公開したこと

が批判されているのです。

ファンに旧作を見せてキャスト続投への期待を持たせた

YouTubeで毎日更新されるTVアニメ版のスラムダンク。
ファンは新作の映画に期待を膨らませながら旧作を堪能し、再生回数もかなりのものでした。
このプロモーションも、以前のキャストで続投するだろうと思う人を増やす要因だったと感じます。

百歩譲って、他作品でも新作が発表されるタイミングで旧作が公開されることはよくあることで、プロモーション自体はおかしいことではありません。

しかしこの映画スラムダンクにおいては、
本編の映像の一部も、
キャストも、
詳しいことは何も知らされず焦らされる中で旧作を見せられたら
「キャスト続投するのかも?」と期待してしまうのも無理はありません。

そうファンに思い込ませてしまうほど、新キャストを含む発表のタイミングが遅すぎたのが問題です。

アニメファンにとって、キャラクターを誰が演じるのかというのは最も大事な要素のひとつ。
それを公開一ヶ月前まで引っ張ったのは悪手としか言いようがありません。

自分のイメージと違っていたことを「想像していなかった新しいものが観れる」という喜びとして捉えられればファンとしても幸せだと思いますが、そう感じるには発表のタイミングが悪すぎたのではないでしょうか。

旧作のようなスラムダンクを期待してムビチケカードにお金を払ったファンからすれば、裏切られたも同然です。

声優交代そのものに批判はないのか?

では、声優が交代したこと自体には批判はされていないのか?という話なのですが、

ないわけではありません。

その理由は、旧作のキャストと声のイメージが全く違うから。

旧作はいわゆるアニメ作品らしい、個性の際立った声色のキャスト。
今作はリアルを意識した、実写のような自然さを感じさせる声色のキャスト。

旧作のようなテイストを期待していたファンからは「イメージ違い」という声はどうしても上がります。

また、旧作のメインキャスト陣はどなたもまだ現役で声優を続けていらっしゃる方々ばかり。
なのにどうしてわざわざ交代するのか?と感じているファンも多くいます。

ただ、今はまだ数分のPVで流れるわずかな映像しかない段階。
キャスト変更に対して異を唱えているファンの一部は、本編を観れば考えが変わる人も一定数いると思います。
これは他作品でもよくあること。

今回においては、声優交代に対する反発は炎上理由のひとつでしかありません。

どうして声優が交代することになったのか

非常に好評だった旧作のメインキャストを、なぜわざわざ変更したのか?

それは、旧作に否定的だった原作の井上先生が中心となって制作している映画だからです。

旧作はファンの間で名作と言われている一方で、作画のひどさも時折話題に上ります。
バスケットボールの躍動感が全く伝わらないカクカクした作画に、井上先生は激怒していたそう。

そういう経緯のもと、旧作とは違う「知らない人には初めての、知ってる人には、知ってるけど初めて見るスラムダンク」が作られているのです。

映画のタイトルに「THE FIRST」とつけていることからも、旧作をカウントしない、全く違うものを目指しているということが伝わります。

パイロット版の制作には旧作の声優陣も関わった上での変更だったようです

https://twitter.com/miyakomichi1988/status/1588806639456784385

旧作と新作とは、作画やキャラクターの動き方など全てが違います。
CGで滑らかに動くキャラクターには、アニメらしいオーバーな演技は恐らく必要なく、実写のようなリアルさが求められるはず。

井上先生が望む画に合う声優を改めて選んだなら、違うイメージの声優に決まったのも納得です。

制作陣とファンの期待のズレを公式は理解していた?

原作の井上先生が納得するアニメを作るというのはいいとして、次に問題となるのは、ファンとの間に大きな溝があること。
これを埋めていかなければ、旧作のファンは納得できません。

制作陣の作りたいもの
  • 全く新しいスラムダンクのアニメ
  • 写実的な画・動きに合う新キャスト
  • 一部原作に沿わないオリジナルストーリー
ファンが求めるもの
  • 旧作アニメの続き
  • 旧作のキャスト続投
  • 一部原作に沿わないオリジナルストーリー

ファンは昔のアニメを味わいたいわけではなく、旧作のテイストを感じさせつつ現代の技術でハイクオリティになったスラムダンクが観たいと感じている方が多いです。

長十郎

もちろん旧作を意識してない原作ファンもいるよ

大多数のファンと制作陣とでは大きな隔たりがあることは、恐らく公式側も把握していたのではないかと思います。

本当に知らなかったのならばプロモーション下手か!とツッコミたくなります。

少なくとも現状は、この隔たりを知った上で、詳しい説明なしに前売り券を捌く手法を取ったのではないかと多くのファンは思っています。

特設サイトのインタビューでも旧作の続きを期待させるコメント

映画の特設サイト「COURT SIDE」では、映画の制作が公表されてから制作陣のインタビューが随時掲載されています。

映像クリエイターのインタビューが中心だったのですが、新情報解禁特番の直前にはプロデューサーのインタビューが更新。
その出だしは、「続きをアニメ化してほしいという声を受けて映画化のオファーをした」というものでした。

「SLAM DUNK DVD-BOX」という商品を2003年の7月にリリースして、ものすごい反響をいただきました。

商品に対しての「ありがとう」の声だけではなく「続きをアニメ化して欲しい」という声も多く、その大反響を受け、改めて『SLAM DUNK』という作品のすごさを思い知りました。

そして2003年の秋、「映画化させてもらえませんか?」と原作事務所に話しにいったんです。

―プロデューサー:松井俊之「COURT SIDE」インタビュー#07より

結局は井上監督が首を縦に振るまで企画書を練り直し続け今の形に落ち着いたということですが、プロデューサーの当初の原動力が「旧作の続きを望むファンに応えたい」だったならば、最終的な形も「そう」なのだろうと誰もが期待したはずです。

炎上を避ける方法はあった?

時すでに遅しですが、映画スラムダンクにおいて旧作ファンもスムーズに納得する世界線はありえなかったのでしょうか?

いや、きっとあったと思います。

「"THE FIRST SLAM DUNK"はこういう作品です」と事前に説明を尽くし、その後に前売り券を販売する

これに尽きるのではないでしょうか。

井上先生は「自分が作りたい映画が作れるなら」と東映からのオファーを20年越しに受けたそうです。
ならば東映は旧作と全く違う作品になることを承知の上で映画の話を進めたはず。

これに対してファンは、井上先生が旧作を否定していたことを知らない人もいるので

井上先生が主導で作る=旧作とは違うものになる

と考えられない人も多いです。

旧作との違いをしれっとインタビューなどで触れるのではなく、しっかり正面から説明した上で、気持ち良くお金を払ってもらうという流れならば、今とは違った結果になっていたのではないでしょうか。

原作者が監督であることを免罪符にしていないか?

少々キツい言い方をしますが、
上記のような説明が果たされなかったのには、原作の井上先生が関わっている・太鼓判を押しているということにあぐらをかいて
先生がこうしたいと言ってるんだから往年のファンも文句ないだろ」という考えが透けて見える気もします。

そうでないならばすみません!
でもそう捉えても仕方ない状況です。

原作が強く支持されている作品の再アニメ化は、もっと早くに情報を公開してファンの反応を見たり、慎重になるはずですよね?

長十郎

スラダンの場合は旧作を強く支持してる層との騒動だけどね

アニメ・漫画界隈では時折話題になる「作品は原作者のもの?ファンのもの?問題」が今回の炎上にも少し当てはまります。

作品は原作者のものでも、ファンのものでも、どちらでもないと思っています。

作品を生み出す原作者と、それを楽しむファン。
どちらも揃って初めて名作が生まれる。

どちらの考えも尊重するべきです。

今回原作者とファンの間をうまく繋げなかった公式側は、今後挽回してくれるのでしょうか?
期待せずに待ちたいと思います。

まとめ

ここまで読んでいただいてありがとうございました!

この先は読まなくてもいい個人的な気持ちです。

私はスラムダンクのリアルタイム世代からは少し外れていて、アニメは主に夏休みアニメ劇場で、原作は中学生の頃にコミックスをまとめ買いして読みました。
高校生の頃にはアニメのDVD-BOXを購入し、背番号14のレプリカユニフォームを自室の椅子にかけてウキウキしていました。

旧作アニメにどっぷり浸かってきた私ですが、今作の映画では、キャストは一新されるだろうと思っていたのでその点の驚きはありませんでした。
30年ほど経っていますし、さすがに高校生の役をもう一度やるには厳しいだろうと…
流川役の緑川さんあたりは今でもいけるんじゃね?と思ってますが、一部を変えるくらいならきっと全部を変えるだろうと。
こういうスポーツものは同世代のキャストで揃える傾向もありますしね。

それに、今は実力のある若手声優さんがたくさんいらっしゃるし、旧作のイメージを壊さず演じきれるキャストがきっといるだろうと思っていました。

ですが、こんな私でも、PVを見たときのキャストの声のイメージは予想と全く違っていて、現状違和感を感じています。
声優さんが違うから驚いてるんじゃなくて、旧作のイメージとあまりに違うから驚いてるんですよね。

これはどうしても長年旧作を観てきたファンからすると、仕方のない反応だと思うんです。

だってここまで旧作と違う作品を作っていると思ってなかったから。

私はYouTubeで旧作を観て期待を高めていたわけではないし、ムビチケも買っていません。
恐らく声のイメージへの違和感も、本編を観たら払拭するんじゃないかなあとも思っているレベルのものです。
それでも、もうちょっと説明してくれてたらなあ…という残念な気持ちがあります。

映画を楽しみにしている中、水を差されたような気持ちになっている方もたくさんいらっしゃると思います。
そんな方の溜飲が少しでも下がるような記事になっていましたら幸いです。

映画自体に罪はありません。
クオリティにこだわって作ってらっしゃるのは伝わっているし、全く新しいスラムダンクがこの令和に観られることへの期待や喜びもあります。

実写的なスラムダンク。
現実に、そこにキャラクターが存在していると思わせるほどのものを見せてくれるんじゃないかと、ワクワクする気持ちもあります。

本編で良い意味で裏切ってくれるよう、引き続き公開を楽しみに待ちたいと思います!

それではまた!

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