どうも!タイバニオタクの長十郎です。
TIGER&BUNNYに登場するダークヒーロー、ルナティック。
1期から登場しており、2期ではタイガー&バーナビーに次ぐ主役級のドラマが展開されました。
彼が辿った人生を振り返りつつ、本編で明かされなかったポイントを考察しました。
しばしお付き合いいただけたら幸いです。
ルナティックとは?
独創的なスーツを身に纏った、青い炎を操るNEXT能力者。
その炎はファイヤーエンブレムの炎をも凌ぐ、かなりの火力を誇ります。
その正体は、司法局に勤めるヒーロー管理官、ユーリ・ペトロフ。
ヒーローの身近にいる存在ながら、救いようのない犯罪者は死をもって償うべきという価値観を持つ人物です。
シュテルンビルトには死刑制度がないことから、自ら犯罪者に手を下すという「私刑」を繰り返しています。
「ルナティック」が生まれた経緯
ユーリ・ペトロフは、シュテルンビルトの伝説的ヒーロー・Mr.レジェンドの息子。
世間では正義の象徴のように扱われている父親が、裏では大切な母を痛めつけ、能力減退に苦しみ、八百長に手を染めている。
これを子どもの頃目の当たりにしてきたことが作中でも描かれています。
悪に堕ちた父を見て、ユーリはかつて全盛期だった頃の父に言われた言葉を思い出します。
ユーリ、もし悪い奴を見かけたら見て見ぬふりをしては駄目だぞ
悪をこらしめる強い男になるんだ
―Mr.レジェンド「TIGER&BUNNY」エピソード16より
悪い奴を見過ごしてはいけない。
じゃあ、目の前で母に手を上げる父は?
葛藤の末、ユーリは自らの能力で父親を手にかけました。
ユーリが初めて自分の正義を執行した瞬間でした。
それから何年も経ち、司法の道へ進んだユーリ。
司法局に勤め法の番人として様々な犯罪者と相対す中で、法で裁いても再犯する、妥当な刑が与えられないなど、法ではどうしようもなく裁ききれない歯がゆさも感じていたのではないかと思います。
これらから、「殺人者は死をもって償わせることが真の正義」という信念がユーリの中に生まれ、司法が裁けないのなら自分が裁くしかないと考えたのではないでしょうか。
ルナティックは本当に死んだのか?
視聴者の間でもしばしば議論の対象になっている、ルナティックの生死の行方。
実際のところはどうなのか、公式から明かされていないので答えはないのですが、個人的な見解としては…
自分の青い炎で命を絶っている
と考えています。
出血もすごかったし…
もちろん元気に生きて、両親の呪いもルナティックとしての葛藤もない人生を新たに生きて欲しいという気持ちもあるのですが、やはり綺麗に救われて終わり、とはいかないのがタイバニ。
人を殺め続けてきた彼が何事もなく今後も生きていく、というのは恐らくないだろうなと思っています。
「殺人者は死をもって償うべき」という正義を自分にも貫き、己の罪を己で裁いた。
物語としても素晴らしい最期でした。
ただ、はっきりとは描かれていませんし、想像の余地が残されています。
死んでしまったと解釈してもいいだろうし、運良く命をとりとめたと解釈してもいいと思います。
続編で復活したとしても大いに喜びます!!
ルナティックはなぜ鳴りを潜めていたのか
バーナビーがデビューした頃から度々ヒーローたちの前に現れてきたルナティック。
2期では、後半は大活躍だったものの、前半はユーリとしての登場のみでルナティックに変身することはありませんでした。
一体何故活動していなかったのでしょうか?
考えられる理由を挙げてみました。
- 多忙になったことで変身する余裕がなかったから
- 今のヒーローを信じてみようと思っていたから
多忙になったことで変身する余裕がなかったから
1期では司法局でヒーロー管理官と裁判官を兼任しており、すでに多忙の身。
そこに2期では、ヒーローへの出動要請が全てヒーロー管理官を通して通達されることになり、さらに多忙を極めることになりました。
出動要請は常にいつ発生するか分からないため、単純にルナティックとして活動する時間の余裕がなかったのではないでしょうか。
実際、2期後半でルナティックが登場したのはヒーローたちが活動できなくなった後のことでしたので、鳴りを潜めていた理由のひとつとしてあり得る話だと思います。
今のヒーローを信じてみようと思っていたから
ヒーローが掲げる正義を信じきれなかったユーリ。
しかし1期から「The Rizing」にかけて、ヒーローたち、特にワイルドタイガーの活躍を見て、一度ルナティックとしての活動を止めて彼らの正義を見届けようとしたのではないかと思います。
しかし2期後半ではヒーローたちが資格を剥奪され、政府の決定に従順に従う彼らを見て失望。
再びルナティックとして表舞台に姿を現しました。
ワイルドタイガーとの関係性
父親との共通点が多い
ユーリにとって虎徹は、自分の父であるMr.レジェンドと共通点が多い存在。
- NEXT能力が同じ(ハンドレッドパワー)
- ヒーローとして活動中に能力が減退する
ユーリはそんな彼に思うところがあったようで、1期ではルナティックとしての方針を曲げてまでも虎徹をフォローしに向かったり、能力の減退にもいち早く気付いたりしていました。
虎徹が果たして自分の父と同じように破滅の道を歩むのか、違う道へ進むのか。
ユーリとしては後者になることをどこか期待して、気にかけていたのだと思います。
結果、虎徹は能力減退を公表し「ワイルドタイガー・ワンミニット」として戻ってきたことで、Mr.レジェンドとは違う道を歩むことになりました。
嬉しそうにモニターを見つめるユーリ、いいシーンだったなあ
Mr.レジェンドは八百長にDVにと落ちぶれたが、同じ環境にあった虎徹は、減退してもあがいてヒーローを続けることを選んだ。
父とは違う逞しいヒーロー像を体現してくれそうだと感じた虎徹にだからこそ、自分の父はMr.レジェンドだと明かしたのでしょう。
このままだと父と同じ道を辿ってしまいそうな彼に、ああはなってくれるなという思いを無意識に込めて忠告したのではないでしょうか。
そんな彼と最後に肩を並べて戦えたことは、きっとユーリにとっても特別なことだったのではないかなと思います。
法に縛られない正義
ルナティックは勿論法律からは逸脱した存在ですが、ワイルドタイガーも時折ルールに縛られない動きを見せます。
そして、ワイルドタイガーがルールを無視した行動をとるとき、ユーリは陰ながら嬉しそうにするんですよね。
「それこそが貴方だ」と言わんばかりの。
ユーリは司法局の人間なので勿論法律も遵守しますし大事にしていると思いますが、それとはまた別に、本当の正義を成すためには法に縛られていてはいけないという思いも持っています。
ルナティックとワイルドタイガーはMr.レジェンドのこと以外には一見共通点がなさそうに見えますが、「法に縛られない正義」を持っているという点で一致しています。
ユーリがワイルドタイガーを気にかけるのも頷けるというか、同じヒーローにかつて大きな影響を受けた者同士として切っても切れない仲だなと感じます。
司法を志したにも関わらず、自ら殺人者に鉄槌を下す。
ユーリの行動には大きな矛盾があり、恐らく本人もそれを承知の上でルナティックとして活動しています。
それが大きな魅力でもあるよね
度々ユーリの前に現れるヒーロー姿の父親は、ユーリのルナティックとしての正義に常に疑問を投げかけます。
この父親の幻影はユーリ自身が生んだものであり、本人の心の葛藤が、幻影となって現れているもの。
彼の二面性が視覚的に現れているシーンですね。
父親の幻影が消えたのは虎徹のおかげ?
ずっとユーリを苛んできたMr.レジェンドの幻。
それが何故急にヒーロースーツではない素の姿に変わり、ユーリを肯定して消えていったのでしょうか?
それはやはり、虎徹に初めて自分の父がMr.レジェンドだと明かし、虎徹から「自分は御父上のようにはならない」と言われたことが大きな影響を与えているはずです。
俺みたいにバーナビーみたいな存在が…、仲間がいてくれたらって
そしたらぶん殴ってでもきっと御父上を止めてくれただろうに
―鏑木・T・虎徹「TIGER&BUNNY2」エピソード20より
虎徹は、自分がもし暴走したとしても、止めてくれる仲間がいるから貴方の父親と同じ轍は踏まないと言い切ります。
ユーリは何も言い返さずその場を去り「どうしてそんなことを言われなければならないのか」と怒りの表情を浮かべますが、実際は図星だったようで、これまで思い出さずしまい込んでいた記憶を思い返します。
誰か…助けてくれ
―Mr.レジェンド「TIGER&BUNNY2」エピソード20より
トップヒーローとしての重圧に耐えきれず、父親は周りに助けを求めていました。
諫めてくれる家族も、相棒もいない。
トップヒーローが故のプライドがあったでしょうし、彼の周りも「圧倒的に強いMr.レジェンド像」しか求めていない状況では助けを求めようにも難しかったでしょう。
忘れていた父の一面を虎徹の言葉によって思い出したことで、Mr.レジェンドの幻影は初めて、正義の象徴であるヒーロースーツではない素の姿になったのです。
ある意味父親の幻影に支えられていた一面もあったユーリは、思わず父を「行くな」と引き止めました。
母親の血だまりに縋りついて嗚咽を漏らす彼の姿は、本当に胸が詰まります……
虎徹とバーナビーはルナティックの正体に気付いたのか?
2期の最終話、飛び出た鉄骨の端に逃れたルナティックと、駆け付けたタイガー&バーナビー。
ルナティックの仮面が激闘の影響で割れ、初めて二人の前で素顔をさらしましたが、虎徹は「ルナティック」と呼びかけ話し始めるのです。
虎徹とバーナビーは、ルナティックの正体がユーリだと、顔を認識していたのでしょうか?
ここは意見が分かれているところですが、わたしとしては、本編の描写通り逆光で見えていなかったのではないかと思っています。
その理由としては、虎徹とバーナビーのリアクションがあまりにも薄いから。
あそこでもしユーリだと分かっていたら、さすがにもうちょっと驚くんじゃないか?と…
虎徹も普通に「ルナティック」って声かけてたし…
あの場面で虎徹が、ユーリだと分かっていながら敢えて「ルナティック」と冷静に声をかけるか?と想像すると、ちょっと考えにくいです。
ユーリがMr.レジェンドの息子だと知ったときの虎徹のリアクションを思うと尚更です。
しかし、ルナティックの正体が二人に明かされずに済んで良かったと思っています。
ユーリは二面性のある人間で、ルナティックも彼の一部ですが、司法局で働き法を重んじていた彼も、間違いなく彼の一部です。
ルナティックとして繰り返してきた行為が、ユーリ・ペトロフとしての表向きの顔に傷をつける結果にならなくてよかったのではないかなと感じます。
最終話の後、突如失踪したユーリに対して周りがどういう反応を見せるのか気になりますね…
最後に
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
まさか2期で、ルナティックの物語がこんなに動くとは思っていませんでした…
これまで殺人者を粛正してきた彼の最期としては、とても納得のいくものだったと思います。
受け入れるのには時間がかかるけど…
もし後日談があるならぜひ聞かせてくれ…!!と思う日々です。
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